今売れる本とは?ブランディング出版の前に知っておきたい最新トレンド
スタックアップは、本の企画から販売戦略までをプランニングする「出版企画・総合出版プロデュース」の会社です。企画からライティング、製本、印刷、流通まで自社グループ内で完結できる体制は、他にない強みです。
これまで多くの経営者や著者からのご依頼を受け、「ブランディング出版(カスタム出版、企業出版とも呼ばれます)」という形でプロデュースをしてきました。
さて、書店には多様なジャンルにカテゴライズされ本が並んでいますが、時代の流れによるトレンドはあるのでしょうか?売れる本の傾向や読者が求めている本の分野なども分析してみました。
ブランディング出版の前に知りたい!売れる本のトレンド
2000年代から2010年代前半の出版業界では、100万部を超えるようなミリオンセラーが何冊もありました。
「こんまり」こと近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』や作家・村上龍さんの『13歳のハローワーク』などが代表例で、社会的なトレンドを生み出すほど影響力を持つ本が生まれる時代でした。
その時代と比べると、現在はミリオンセラーの本は激減しています。最近は100万部のようなメガヒットはほぼ生まれておらず、数万部単位で分散して売れている傾向にあります。出版社側も大きなヒットは狙わなくなってきています。
コロナが影響し、最近は医学や精神医学の分野も売れ行きがよく、お金の知識を付けるための本も売れています。
特にトレンドとして注目されているのが哲学に関する本です。
コロナ前に発売され、国内で200万部以上の驚異的なセールスを記録した『嫌われる勇気』。また同じく200万部を超えた漫画『君たちはどう生きるか』。
理解が難しい哲学を漫画という手法で過去の書籍を復刻させたのも面白いですね。
読者の「この苦しい状況から脱したい」という悩みに刺さる本として手に取られたのでしょう。
ただ、こうした本は哲学者が書くから説得力を持って読者に響きます。専門外の人が哲学を取り入れる場合は、哲学論を自分なりの解読でエッセンスを加えていく必要があるでしょう。
ブランディング出版には専門性の高い本が有利!?
どの分野でもある程度の情報はインターネットですぐに手に入ってしまうので、その前提でブランディング出版でも専門性の高さは意識した方が良いと思います。
料理などのレシピは特別で、料理研究家がYouTubeでレシピを公開していても、読者が本を開くシーンを考えるとある程度のレシピがまとまっていたほうが使いやすい。そのため総集編として書籍にしても売れやすいのです。
スタックアップの事例では、長年売れ行きが好調で商業出版のオファーが絶えない手芸本、「クラフトバンドの作り方を記したレシピ本」が挙げられます。
株式会社エムズファクトリー代表取締役で一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会代表理事の松田裕美さんのシリーズ書籍です。
「クラフトバンドの魅力を多くの方に伝えたい」 という思いで2014年に学研より出版した『簡単!かわいい!クラフトバンドですぐできる!』が大ヒットとなり、コロナ禍の巣ごもり消費もあって、本だけでなく会員数が増加しています。
その他、一躍有名になった前田 鎌利さんの社内プレゼンの資料作成術などもシリーズ化され、大ヒットとなりました。
ブランディング出版にビジネス書は不向き!?
ビジネス書の名作と言えば『100円のコーラを1000円で売る方法』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『エスキモーに氷を売る 魅力のない商品を、いかにセールスするか』『日本で一番大切にしたい会社』など多数ありますが、最近はこうしたビジネスのノウハウ本は似たり寄ったりな内容になりやすく、コンテンツとしてはかなり出尽くしている分野になります。
年を重ねると新しいビジネス書が過去に読んだ名作と同じように見えてしまうのかもしれません。
書店には常に無数のビジネス書が陳列されているので、出版社はその棚を狙っています。
しかしこのところ、本屋に並んでも売れずに返本されてくるものも多いです。過去に出した名作のビジネス書が並び続けている。
あくまで私見ですが、ゼロベースから規模を大きくしていったビジネスの背景などは本にしてもおもしろいかもしれません。
この時代全くのゼロから何かを生み出すことは難しくなっています。出尽くしている。
逆にそこを突いた『ビジネスモデル2.0図鑑』という本も3〜4年前にちょっとしたヒットになっていましたね。
ハードカバーの激減と、文字数の減少
出版業界は2000年代と比べて縮小しているものの、書籍の新刊発売点数には変動がなく、この20年間の年間平均発売は7万冊、1日に換算すると約200冊も発売されています。
書店の規模にもよりますが、新刊の平積み期間は1週間から1ヶ月程度です。このため、店舗スペースの平積みは毎日が争奪戦です。
公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2021年の紙+電子出版市場は1兆6742億円でした。3年連続プラス成長ですが、これは電子書籍の売り上げが伸びているためです。
(紙は1.3%減の1兆2080億円 電子は前年比18.6%増の4662億円)
とはいえ、まだまだ紙の書籍の売り上げは多くを占めているのが現状です。
こうした状況で、出版社側からすれば3万部売れれば「ヒット」とされている一方、初版で3000〜6000部を刷って書店に配送し、売り切って終わりにするケースが増えています。
また、書店に並ぶ本を見ると分かると思うのですが、最近は上製本の書籍が激減しています。
上製本とは硬いカバーの表紙に覆われ、分厚く製本された本です。ハードカバーとも呼ばれます。
高級感があり、丈夫で耐久性に優れているので長期の保存に耐えられます。
しかし、時代とともに上製本のニーズは減っていき、上製本を作る会社はどんどん減っています。
現在の主流は並製本。
並製本はソフトカバーとも呼ばれ、週刊誌や雑誌、新書、文庫本など日常でよく見る加工方式です。上製本と比べると簡単に低コストで製本できる。
さらに、近年大きく変化した点といえば、1冊の本のベージ数、1ページの文字数がかなり少なくなってきていることです。1ページに書き込む文字数は、800文字程度→600字程度に減っています。行数も減り、フォントサイズが大きくなりました。
本を開くと、一見スカスカのように見えますが、活字離れが進んでいるので本が苦手な人にも完読してもらうための工夫とも言えるでしょう。
例えばベストセラー作家の百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』は上下巻の上製本で約360ページずつ、合わせて約720ページにも及びます。よほど売上部数が見込める本でないと、こうした本は作れなくなっています。
現在の並製本はだいたい192〜256ページ。1ページ600字程度として、仮に200ページを作るとすると一冊で12万字。では、12万字を書けばそれで完成かというと、ここから編集者が文章をブラッシュアップしていくので、必然的に文字数は削られていきます。
よく出版企画を持ち込んでくださる方が10万字程度の原稿を持参してくださるのですが、実際にはそれでは文字数が足りません。
意外かもしれませんが、プロの作家やライターですら、編集者が入って文章の調整をします。書き手以外の第三者の視点で、文章を見てチェックする編集者という役割はとても重要なのです。
また印刷方法も変わってきました。
最近のトレンドは、黒色+もう一色の2色刷文字です。大事な部分は視覚的に意識が向くよう強調されています。
商業出版のハードルは高まる一方
ブランディング出版と商業出版の一番の違いは、商業出版での制作費は出版社が負担するということでしょう。
「それなら商業出版がいい」という声が聞こえてきそうですが、いきなり商業出版にこぎ着けるのは相当自社サービスに会員がいるか、SNSでかなりフォローワーがいるか。ここはまずチェックされます。
旬な情報や読者のニーズを重要視する商業出版の場合、出版社は「売れる本」を作り続けなければなりません。
制作費を出すのですから、売れないと利益はおろか制作費も回収できないので当然と言えるでしょう。
そのため、出版のための企画会議で「本を出しましょう」という結論を導くのは本当に大変なのです。
スタックアップがある有名進学塾の出版企画を、商業出版として出版社に提案したときのことです。
いくつかの出版社へ掛け合ったのですが、著者が本にしたい内容と、出版社が求めるコンテンツが最後まで折り合いがつかず、企画が流れてしまったことがありました。
商業出版ではそれだけ読者のニーズが優先されるという最たる例だと思います。
ブランディング出版は本の制作費を自分で負担する分、本の内容も著者の意向に沿ったものに仕上げることが可能です。
それでも出版のプロの視点で編集が入ります。
人は目次や著者プロフィールで本を買うか決めますので、どんな目次にすべきかはブランディング出版でも非常に重視される点です。
また、ブランディング出版もどこに依頼するかで費用が大きく異なるので慎重に選びましょう。
大手出版社ではおおよそ1000万円〜。ただし大手から本を出したという泊が付き、マーケティングにもかなり有効だと思います。
スタックアップでのブランディング出版は300万円〜と、リーズナブルな価格に抑えています。
ここには弊社ならではの理由があり、冒頭でお伝えした通り、出版の全てのプロセスを自社グループでまかなえるため、掛かる費用は細かく適正価格を把握しています。だからこそコストを抑えられるのです。
その他、ブランディング出版と商業出版の違いといえば、出版までの期間でしょうか。
当然企画を吟味する時間が短縮される分、ブランディング出版のほうがスピーディーです。
商業出版は企画選考に1年以上かかることもあるため、ビジネスチャンスを逃したくない!という場合はブランディング出版がおすすめです。
最短だと3ヶ月での出版が可能です。
ブランディング出版でどんな広告も出せる!?
またブランディング出版でもマーケティングや認知向上のため、新聞や雑誌、ウェブや電車の中吊りなどにもプロモーションのための広告を出すことができます。
どのような媒体に広告を出すのが最適かご提案することも可能です。
プロモーションでのスタックアップの特徴は、「玄文社」自社グループの出版社から全国の書店に直接発注書を送付し、注文を取れること。
毎日多数の発注書が書店に届きますので、もちろんデザインの作り込みには手を抜けません。
ブランディング出版で販売部数が伸びれば、クラフトハンドの本をヒットさせた松田さんのように商業出版のオファーがくる可能性もあります。
ブランディング出版を活用してなりたい自分になろう!
最近ではオンライン出版セミナーや無料相談で、出版に興味のある方々とお話する機会が増えました。
スタックアップが一番大切にしているのは、著者の「本を書く目的」です。
本の出版は、あくまでも「なりたい自分の姿」に近づくための一つの手段であることを忘れないでください。
本を出すことがゴールではなく、その先に成し遂げたい何かが必ずあるはずです。
制作した本をどのように使っていきたいと考えているのか、事業にどのような効果をもたらしたいのか。ぜひそういったお話をお聞かせください。
私たちの本望は「無名の著者を発掘し、残すべき文化を本を通して継承すること」です。
長く出版業界にいる私たちは、著者のフォロワー数だけで判断することはいたしません。それ以上にコンテンツ、中身の質をみています。
出版にまつわる最初から最後まで伴走者としてサポートいたしますので、気軽にお問い合わせください。
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