「本の初版部数は3000部?」「どうやって決まるの?」に、プロが答えます!

本の初版部数はどうやって決まる?

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初版部数は、人気のコミックスであれば100万部を突破することもありますが、一般的な新書や単行本だと1万部以下のケースが一般的です。本のジャンルや作品の人気、著者の知名度によって異なるのは想像がつくと思いますが、「では、どうやって初版部数を決めているの?」と疑問に思っている人も多いはず。

そこで今回は、「初版部数の決め方」や「初版部数決定における今と昔の違い」などについて解説していきます。

スタックアップって、どんな会社?

まずは、今回「初版部数」について解説する出版プロデューサー、後尾とその会社について少しご紹介を。

出版プロデューサースタックアップとは

株式会社スタックアップは、本の企画から執筆、書店流通、販売戦略までをトータルプランニングする、出版企画・出版総合プロデュース会社であり、出版社でもあります。

「商業出版」だけでなく、高いプロデュース力を活かした「ブランディング出版」も手がけ、数多くの実績を残してきました。出版プロデューサーの後尾は当社の代表取締役です。

 

企業出版やカスタム出版と言われることもある「ブランディング出版」は、
企業や個人が自分たちの活動を広く知ってもらうために本をつくることで、いわば広報戦略のひとつ。

出版した本が全国に流通し、事業や著者の認知度向上につながるだけでなく、売り上げの増加や事業拡大といった目に見える成果を上げることができます。

本の初版部数について
過去には、クラフトバンド(紙バンド)の販売やオンライン教室を手がける女性起業家がブランディング出版によって注目を集め、各種メディアに取り上げられるようになった結果、年商は6億円を突破。今では著書が計13冊を数え、押しも押されもせぬ人気著者となった例もあります。

 

こうした質の高い出版プロデュースが可能な理由は、出版プロデューサーをはじめ、編集、ライター、校正、装丁にも一流スタッフが揃っているから。

特に出版プロデューサーには、販売累計370万部の『チーズはどこに消えた?』や『ビストロスマップ』など、数々のベストセラー作を生み出してきた平田静子らがおり、著者の「これを書きたい」「これを伝えたい」という思いを二人三脚でサポートします。

 

スタックアップがアプローチ可能な出版社は50社以上あるため、商業出版では本のジャンルに合わせてもっとも適切なところに提案・営業をかけられるのも強みのひとつ。

 

また、創業70年を超える印刷会社「新灯印刷」が母体なので、印刷から製本、配送までを自社グループで行うことができ、出版に関わるノウハウをすべて持っているからこそ、「企画段階から本が読者の手に届くまで」という継続的なプロデュースが可能なのです。

本の初版部数の決め方とは?

新刊が出る際には出版情報の管理システム「JPRO(出版情報登録センター)」に本の情報を登録し、それと共に、発売の1週間前には取次各社に搬入連絡表を送ることになっていて、その段階で初版部数が決まります。

 

かつては、希望配本部数を書き込むと、取次各社が配本先の書店を決めてくれていました。それが「みなし配本」という方式です。
たとえば、出版社は「日販(日本出版販売)は3000部、トーハンも3000部、楽天ブックスネットワークが500部で合計6500部を配って欲しい」と希望を出すだけで、あとは取次各社が全国の書店へ配本するという仕組み。

 

つまり、以前の初版部数は「出版社のさじ加減ひとつ」と言うこともできるでしょう。
それができたのも、本が売れていたから。今と違って本が売れる時代だったので、出版社から「これくらい撒いて欲しい」と希望も出せたし、配本を取次にお任せすることもできたのです。

初版部数は出版社のさじ加減
それに対して、今は本が売れない時代になっています。返品も多く、返送に送料もかかるため、昔みたいに本を強気に撒くことはできません。
では、現在はどのような仕組みになっているのかというと、かつてが「みなし配本」だったのに対して、今は「指定配本」というシステムです。

 

新刊が出る1ヶ月ほど前から出版社が全国の書店に向けて営業をかけて、いわば予約をしてもらいます。具体的には書店へ直接行ったり、注文書をFAXで送ったり。
大きなチェーン企業の場合は本部へ交渉に行くこともあります。そうした営業で、「こういう本が出るんですけど、何部取ってくれますか?」と各書店に確認するのです。

 

そして、全国の書店から「買います」と連絡が来た部数の合計が「指定配本数」と呼ばれ、取次各社へ搬入連絡表を送る際に記入します。
たとえば、「指定配本数は1000部あります。でも、もう少し配って欲しいので1200部でお願いできませんか」と伝えるなど。

ただし、上乗せするとしても、せいぜい200~300部程度。なので、初版部数を増やすためには、事前にどれだけ指定配本数を取れるかが重要なんです。

本の初版部数の決め方とは?
【1】初版3000部は多い?少ない?

指定配本数が大事だと言いましたが、出版社ではあらかじめ目標の部数を設定しています。
指定配本数が出てから印刷するのでは発売に間に合わないので、社内で目標部数を決め、それを達成できるように営業をかけるという形を取っているのです。

最近では、初版で5000部つくれる本は少なくなってきています。

 

現在、全国にある書店は約1万店と言われていて、その中でも商品がしっかりと回転している書店は約3000店と見られています。なので、商品が動いている書店に1冊ずつ取ってもらえれば、指定配本数は3000部まで積み上がることに。

 

とはいえ、初版部数で言えば、3000部をすべて配本できたら多い方です。例を挙げると、初版3000部の場合、「日販が1000部、トーハンも1000部、楽天が200部、残りが在庫」という感じで、一気にすべてが出ていくわけではありません。

 

初版部数を増やしやすい本は、著者の知名度が高く、すでに固定ファンがついていて、まとまった売れ行きが見込めるもの。著者のSNSのフォロワーが10万人以上いるようだと、そのうちの何割かが購入してくれるという見立てができます。

 

逆に、著者が書店での流通をそれほど重視していない自費出版の場合、指定配本を取らずにいたら、取次3社で計500部しか配本できないケースもありました。

本の初版部数の決め方とは?
【2】指定配本は効率化のためにできた仕組み

本が売れていた時代は、出版社が1万部ほど刷って、取次が全国の書店に振り分けるということが行われていました。

でも、いくら本が売れた時代といっても、売れ残る本は必ずあります。何ヶ月経っても売れない本は書店としても返品するしかありません。
その返品する本が多いと輸送コストも馬鹿にならず、印刷部数も多かった時代だけに、その返品の積み重ねが出版社、取次、書店の三者すべてに重くのしかかっていたんです。

 

出版社は本が売れなければ利益を得るどころか、制作コストを回収できません。
取次は、大量の返品があると輸送コストが大変なことになる。
書店は、返品することになった本の代わりに他のものを並べていれば、売れていたかもしれない。つまり、機会損失と言うこともできるんです。

 

「みなし配本」の時代は、書店が中身を把握していない本まで取次が配本することもありました。
そのため、到着して梱包を解いたときに書店の人が「こんなのは売れないでしょ」と判断して、開封すらせず、即返品することもあったのです。

それは「ジェット返品」と呼ばれていました。

 

ようするに、あまり効率的なやり方をしていなかったということ。
それを正すために、指定配本数という、見込みの立った冊数をあらかじめ申告するという形になったのです。

本の初版部数の決め方とは?
【3】独自の返品ルールで余計な手間と費用がかかっている

現在は、「書店が返品するには出版社の了解を取ることが必要」という取次が決めたルールによって、余計な手間がかかっています。

 

本来、書店から返品された本は取次各社の倉庫に一旦保管されて、そこから出版社の倉庫へと送られます。
でも時々、書店から出版社に「(取次に)返品した本が逆送されてきたんですけど」と連絡が入ることも。

 

ようするに、「出版社の了解を得ていないから返品は認められない」ということで、取次は書店に再送しているのです。それは、時間と送料の無駄だと言えるでしょう。

 

結局、書店が「逆送されてきたので、返品の許可をもらえますか?」と出版社に確認し、許可を取った上で改めて返品することになります。
そうでなくても、返品するためには書店が出版社に対して、「これとこれを返品したいので了解してください」と電話やFAXで、いちいち確認を取っているのが現状なんです。

 

こうした手間がある限り、せっかく良い本でも「著者の知名度の低さ」などを理由に書店が不安を感じれば、新刊の入荷は慎重にならざるを得ません。
それが初版部数の低下にもつながりかねないのです。

本の初版部数の決め方とは?
【4】本が売れないことで街の書店がどんどん減っている

出版不況と言われて久しいですが、本が売れないので、書店の数も減ってきています。
区の再開発に伴うものとはいえ、東京駅前にある超巨大書店「八重洲ブックセンター」が2023年3月で閉店するというニュースが流れた際には業界内に衝撃が走りました。

 

ネット販売だとクレジットカードやお店独自のポイントが貯まるので、近年はAmazon、楽天ブックス、ヨドバシ・ドット・コムなどのネットショップで本を買う人が増えています。それによって、街の書店では本がますます売れなくなっています。

そう考えると、「本を売る側としてネットショップの重要性は高いのでは?」と思われるかもしれませんが、そこが難しいところ。

 

ちなみにAmazonの場合、AIが出版社への発注を管理しています。
インターネット上にあふれているキーワードを分析し、多くのワードと関連性の高い新刊にはすごい数の発注をする仕組みになっています。

 

とはいえ、出版社はそれを事前に見越して印刷をすることができませんし、発注の数が多いからといって必ず売れるというわけでもありません。
そういった不確定要素があるので、初版部数に関しては、Amazonをはじめ、ネットショップにはあまり重きを置いていないのが現状と言えるでしょう。
今でも、街の書店と比べて、ネットショップに割く冊数はあまり多くないのです。

本の初版部数の決め方とは?
【5】コロナ禍で営業も非対面方式にシフト

大きな出版社であれば首都圏の他に仙台、大阪、福岡などの主要都市に支店や営業所を設けて、書店へ直接営業をかけるのが、かつては主流でした。
でも、新型コロナが流行してからは、書店から「直接は来ないで」と言われることも増え、以前は直接渡しに行っていた「新刊の見本」も郵送するにようになりました。

 

非対面方式が増えた現状で、営業活動の際に大事なのは、書店のFAX番号を一覧として持っていること。これは出版社なら当たり前のことですが、全国の書店にFAXを送信して注文を取るという形が一番多くなりました。

 

もちろん、以前のように直接会って見本に目を通してもらいながら、見どころを説明できるなら一番いいのですが、それができなくなったので、多くの営業は苦しい思いをしているはずです。

 

そうした営業スタイルの変化が、指定配本数や初版部数の減少につながっている可能性も否定できません。

書店への注文書もプロモーションのひとつ

ブランディング出版のマーケティングは尽きない

出版した本が、いかに多くの人の目に留まり、手に取ってもらえるか。
その鍵はプロモーション手法にあります。

スタックアップでは「週刊文春」や「日本経済新聞」をはじめとする週刊誌・新聞への広告掲載、テレビ番組内での紹介、電車の窓ステッカー、書店のレジ前ワゴンなど、本のターゲット層と予算を踏まえて多様なプロモーション方法を提案できます。

出版後のワゴンキャンペーン

プレスリリースであれば、「PR TIMES」に契約している全国の約300もの媒体に一斉配信が可能。その媒体を通して、さらに多くの人へ本のPRをすることができるのです。

 

その他にも、全国の書店に注文書を送るという直接的なプロモーションも行えます。これはスタックアップが出版社だからこそできること。
スタックアップのグループ会社には「玄文社」という出版社があり、目を引くデザインとわかりやすい内容を意識した注文書をつくることで多くの受注につなげてきました。

 

出版業界が縮小しているとはいえ、この20年で発売された新刊は1年当たり約7万冊で推移し、大きな変動はありません。それを1日に換算すると約200冊。
つまり、書店には毎日膨大な数の注文書が来ているので、すべてを隅々まで確認して精査するのは事実上不可能なのです。
なので、「いかに目を引くことができるか」が注文書をデザインする上で重要になります。

 

書店は、当然ながら売れる本を入荷したいので、有名な著者や売れ筋のテーマの注文書には思わず目が留まるでしょう。過去の販売実績をもとに、「これは売れる」と判断したものを発注するのが基本パターンです。

 

では、「玄文社」の注文書はどのようなデザインになっているのか、一例を紹介します。
まず上段に見やすく、黒地に白抜き文字で「日経新聞4~5面 半5段 ○月○日 掲載予定!」と大きく表記。さらに、その下にも「今後の約1ヶ月における新聞広告の予定」をズラリと一覧にして記載。

 

これによって、広告・宣伝に力を入れていることを伝え、「この本は売れるかもしれない」という可能性を感じさせることができます。
本の内容がどれほど素晴らしくても、それが書店や全国の人々に伝わらなければ、何も始まりません。

 

企画や執筆がブランディング出版の前半戦なら、プロモーションはブランディング出版の後半戦であり、しかも「かなめ」。
販売部数を伸ばすためには、多くの書店から注文を獲得し、長期間にわたって陳列してもらうことが必要になります。
そのためにも「玄文社」は、目立つデザインで内容的にもアピール度の高い注文書を、プロモーションの一環として全国の書店に送り続けているのです。

スタックアップはあなたの夢をサポートします

売れる本をつくるのが「商業出版」で、自分が伝えたいことを本にするのが「ブランディング出版」。
しかし、いずれの場合でもスタックアップでは「本をつくること」がゴールではありません。

 

著者や企業にしても、「自身の技術を人に伝えたい」「自社サービスの認知度を上げたい」といった夢があり、その手段として「本の出版」を望んでいるはず。
そうであれば、大事なのは「本をつくること」ではなく、本の出版を通して夢を叶えるためのサポートをすることだとスタックアップは考えています。

 

だからこそ、「企画のブラッシュアップから発刊時のプロモーションまで」という、入り口から出口までをトータルプランニングすることに誇りを持って取り組んでいるのです。
ぜひ、あなたの夢を聞かせてください。そして、スタックアップにその夢を応援させてください。

 

ブランディング出版が気になった方からのご相談やご質問は大歓迎。お気軽にお問い合わせください。あなたの夢を形にするため、実績のある出版プロデューサーがお話を直接お伺いします。

 

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