なぜ30代、40代の経営者は営業ツールに「本の出版」を選ぶのか

なぜ30代、40代の経営者は営業ツールに「本の出版」を選ぶのか

本の企画から販売戦略までをプランニングする出版企画・総合出版プロデュースの会社、スタックアップです。

弊社ではこれまでに多くの「企業出版」を手がけてきました。企業出版とは、主に企業が自社の宣伝、認知向上、顧客獲得などのために自費で本を作り、様々なシーンで広く活用することによって企業価値を高めることです。

インターネットの発達やSNSの普及により、企業の情報発信がますますデジタル化している風潮の中で、あえて“本”というアナログな手段を選ぶことは勇気でもあり、また挑戦でもあるかと思います。

しかし、これまでに弊社を通じて企業出版を行なった企業の経営者はほとんどが若い世代であり、情報発信についても知見がある方々ばかりです。彼らはなぜ本を出そうと思ったのか。そして、それらを実際どのように活用しているのか。

今回は、若い経営者が営業ツールとして本の出版を選ぶ理由と、本を出したことによるビジネスの広がりをあらためて考えていきたいと思います。

世代によってこんなにも違う?!“本”に対する考え方

本に対する考え方は世代によってまちまちです。一定より上の世代の方は、本はインプットのツール、すなわち何かを得るための手段と考えている方がほとんどでしょう。

これを「なんだ、当たり前のことでしょ」と思う方は、おそらく一定以上の年齢の方です(笑)。

では、若い世代はどうでしょう。インプットの手段というのはもちろん正解です。

今も昔も、本から学ぶことは多いものです。しかし同時に、本には表現のツールという側面もあります。それは、本を出す側になるということ。

本を出す、と聞いて「まさか自分が」と思うかもしれませんが、今はインターネットの発達によりSNSなどで誰でも気軽に情報発信や自己表現ができる時代です。

ツイッターでつぶやくか、いっそ本を出してしまうか。つまりデジタルで行うかアナログで行うかの違いがあるだけで、表現することに対する心理的なハードルはさほど変わりないように感じます。

もちろん両者の違いは多々あり、その際たるものが「費用」です。

実際に自費出版で本を出すとなると、それなりにまとまった金額が必要となるので、心理的なハードルはないにしても物理的なハードルはあるかもしれません。しかし、そこは「企業出版」です。

企業は自社の広告宣伝のために予算があるはずなので、企業出版を広告宣伝の文脈に入れてしまえばいいのです。そこは決して間違いではないので。

例えば企業は自社のカタログやパンフレットを作成すると思いますが、そこに掲載されているのは無味乾燥な情報だけで、企業の想いや背景にあるストーリーなどは多く語られていません。

また、自社のサービスや最新の取り組みなどに関してもページ数の都合などから細部にまで触れることができずに、せっかくのカタログやパンフレットが印象に残らないものになってしまっています。

しかし、本はどうでしょう。私たち出版業界の人間が言うのも何ですが、本は影響力のある、そして信頼できる優れたメディアです。本に盛り込むことができる内容は多く、またカタログやパンフレットと違って、短期間のうちに消費されてしまうようなことがありません。

本づくりは決してハードルの高いものではありません。本づくりというものを柔軟に考え、本をビジネスツールとして活用し、本を通じて自社の価値を上げることを積極的に考えてみてはいかがでしょうか。

本の活用はハイブリッドに行うのが現代の流儀

本をビジネスツールとして活用するというのは、具体的にどのようなことでしょうか。

イメージとして新規の取引先に配ったり、リード獲得のためのセミナーなどで来場者に配ったりすることを思い浮かべるでしょう。

これらは実際に行われていることです。しかし、これ以外にもたくさんの活用方法があります。

これまでに弊社から企業出版した事例として、一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会の代表理事でもある松田裕美さんのケースがあります。

松田さんはクラフトバンドという古紙を再生した手芸用の紙バンドの作品を多く作っていらっしゃって、すでに「作品集」は何冊か出版していました。

しかし、松田さんが目的としていたのは自身の作品を紹介することではなくクラフトバンドそのものの周知と作り手の広がりだったので、作品集を出したところで満足のいく反響は得られませんでした。

そこで、スタックアップでは「単なる手芸の作品集ではなく、作り方を全部載せる。手芸の“レシピ本”のあり方にしよう」という戦略を立て、その路線で企業出版をしたところ、その本は大成功したのです。

実際に書店で松田さんの新刊を手に取った人達が「かわいい!」「自分もやってみたい!」と、本に記載されている松田さんが代表を務めるエムズファクトリーの電話番号へ連絡し、材料を購入してくれるようになりました。クラフトバンドを使った手芸の面白さをたくさんの方に知っていただけて、材料を購入する人が爆発的に増えるという結果に結びついたのです。

さらに、クラフトバンドの普及や振興を目的として松田さんが代表理事を務めている、クラフトバンドエコロジー協会の会員数もぐんぐん増加したとのこと。

一冊の本の出版が同じような興味や関心を持った人と広く繋がるきっかけとなり、やがてコミュニティが形成され、さらにはそれがビジネスに結びつくという結果になりました。

このように、ダイレクトに商談や顧客獲得に結びつかなくても、ビジネスの土壌となるコミュニティを形成することによって潜在顧客を増やすという活用方法も考えられます。

松田さんのケースは、投資と割り切って顧客に本を配るだけではなく、書店で本を購入した方に向けた戦略を立ててハイブリッドに本を活用するのも効果的だということがわかる好例ですね。

仕事は受けるものではなく“つくる”もの。受注という発想を脱却しよう

話は少し逸れますが、自社の発展のために「企業出版」を考えている企業はイノベーティブな企業風土であるように思われます。

社会が変わる様子を横目に見ているだけではなく、自らも柔軟に変わることで時代の波に乗り、「新しいビジネスを打ち出していくぜ!」という気概を持って世の中と対峙しているような印象があります。

一方で、「本は出すものではなく、読むものでしょ」と思っている企業はいささか保守的で、自社のビジネスモデルが時代とともにアップデートされていないような印象があります。

仕事は受けるもの、すなわち「受注ビジネス」の呪縛から逃れることができず、社会が著しく変化しているにも関わらず旧来のビジネスモデルに固執しているような印象です。

しかし、仕事は歩いてやってきません。新しい産業の台頭により、これまでに受注ベースでビジネスをしていた古い産業がどんどん仕事を奪われていく中で、「こっちにも仕事がまわってこないかな」と指を加えて待っていては会社が潰れてしまいます。

ではどうすればいいのか。それは仕事をつくってしまうことです。

仕事は受けるものではなく、つくる。私たちが企業出版をした経営者は一様にこの発想を持っています。

“すでにそこにあるもの”を疑い、ゼロから全く新しい何かをつくっていくというクリエイティブ思考が、これからの社会を生き抜いていく上で必要なのではないでしょうか。

伝えないのは、存在しないのと同じ。発信している企業だけが生き残るという現実

ある企業の経営者がこんなことを言っていました。
「会社の取り組みは、伝えないとなかったことにされてしまうんだ」と。

極端な話、愚直に良質なプロダクトを生産していても、それを広く知ってもらわないと売れることもないままお蔵入りしてしまいますし、さらに言うと、それを生産している企業の存在すら知られることがありません。

企業はどんどん発信するべきです。
自社の製品、サービスだけではなく企業の理念、ビジョン、社長のこと・社員のこと、その他諸々を、自信を持って広く世の中にアピールすべきです。

何のために会社をやっているのか、それは、この製品、このサービスがあることによって、幸せな人が一人でも増え、社会がより良くなっていくことを願っているからではないでしょうか。

伝える手段は本でなくてもいいかもしれませんが、本の持つ安心感や信頼性などはSNSにはないものです。ビジネスツールとしての活用はもちろんのこと、純粋に自社のまるごとを伝えるために、本をつくってみるというのもいいかもしれませんね。

失敗しない「企業出版」ならスタックアップへご相談ください

私たちスタックアップは本の企画から販売戦略までをプランニングする出版企画・総合出版プロデュースの会社であり、創業70年を超える印刷会社、新灯印刷のグループ企業でもあります。

昨今は本が読まれない時代と言われていますが、そのような中でもベストセラーとなる本や社会に大きな影響を及ぼす本などは必ず存在し、時代が変わっても本の持つ力は健在であることを証明しています。

私たちが、企業の営業ツールとして「企業出版」をすすめる理由は、まさにこの“本の持つ力”に拠るところも大きいです。

重さがあり、厚さがあり、質感があり、手に取ることができる本。これら“モノ”としての存在感は、企業の取り組みや想いを伝えるためのアドバンテージとなるでしょう。

そして、本の持つ可能性を熟知しているのは、意外なことにSNS世代の若い経営者たちです。彼らは柔軟な思考の持ち主なので、営業ツールとしての本を最大限に活用するアイディアを豊富に持っています。

例えば眺めているだけで気持ちが上がるような装丁にしたり、本を読んだ人にしか知ることができないようなレア情報を盛り込んだり、すぐにでも実践に役立つような経営のノウハウを載せたりして、営業ツールとしての本に付加価値をどんどん与えることができます。

若い経営者たちは、このことを既に知っています。彼らが積極的に本を活用した営業活動を行うのは、たった一冊の本が持っている無限の可能性を信じているからではないでしょうか。

私たちスタックアップも本の持つ力を信じています。
「企業出版」を通じて、自社のビジネスを加速させることに興味がある経営者は、ぜひ私たちにお気軽にご相談ください。

※書籍出版に関するご相談は、スタックアップまで、下記よりお送りください。

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