【詳しく解説】ブランディング出版から、上手くいけば商業出版のオファーの可能性もあります!
こんにちは。スタックアップ、ブログ担当です。
弊社は、本の企画〜販売戦略までをプランニングする「出版企画・総合出版プロデュース」の会社です。
ブランディング出版のプロデュースの中からもベストセラーと呼ばれる書籍を多く生み出してきました。
最初はブランディング出版のように自費での出版からスタートしても、書籍の販売部数が伸びたことで世間の注目を浴び、出版社から商業出版のオファーが来ることもあります。
では、どういったケース、どれほどの実績があれば自費出版の書籍から「商業出版」のオファーが来るようになるのでしょうか。
段階を踏んで商業出版に切り替わる形が一番多い。
インタビュアー(以下:イ):まず、スタックアップで自費出版から商業出版に切り替わった代表的な著者さんとして、誰が挙げられますか?
後尾:松田裕美さんです。2013年に「はじめてのかごとバッグ」(牧野出版)を出版されてから立て続けにクラフト関係の書籍を出版しており、どれも好評です。現在も出版社からの依頼が絶えない状態です。
イ:すごいですね……。松田さんも自費出版からスタートされたということで、自費出版から商業出版に切り替えることは誰にでもできることなのでしょうか?
後尾:やはり、ある程度は売上がないと厳しいでしょうね。
出版社側は主に紀伊国屋書店が管理している売上表を見て部数の判断をするんですね。業界では紀伊国屋書店の売れた本の8掛が全国の書店での売れ行きだと言われています。
イ:では、そのデータを元にその本が売れているかどうかを判断して、出版社が著者に声をかけてくるということでしょうか?
後尾:はい。しかし、今は毎日200冊の新刊が発売される時代です。とても数が多すぎて他社の新刊全てを追い切ることは不可能だと思います。なので、最初にブランディング出版をした出版社と同じ出版社から商業出版のオファーがかかるケースが多い思います。
イ:そのあと、うまく行けば他社からもオファーが来ることもあり得るということでしょうか?
後尾:はい。そもそもブランディング出版は流通量が多くないので、それだけではその著者さんが売れる本を作ることができる人なのか、というのはわかりません。その次に商業出版として多くの部数を全国に配布した時に、もっと細かいデータが出ます。それで切り替わっていくでしょうね。
イ:ステップ1としてはブランディング出版をした会社から商業出版に変わる、そして商業出版で出した本が売れると各社出版社から声が掛かり始める、ということですね!
後尾:そうです。そこで実績を出せば!ですが。実績がつくれないと商業出版は難しいです。2万部や3万部で停滞してしまうと。
ベストセラーの実績がないと、持ち込みでの商業出版は厳しい。
イ:企画を持ち込めば、可能性はありますか?
後尾:それも、実績がなければ難しいです。
イ:数万部では厳しいということですが、実績がどれくらいあれば他社は興味を持つのでしょうか?
後尾:継続して本を出すとなると、10万部は必要だと感じます。
イ:10万部というと、いわゆるベストセラーの域ですよね?
後尾:ええ、そうです。10万部からがベストセラーと言われています。
イ:数字で見ると、かなり大きな数ですね。
後尾:やはりどうしてもそれくらいの数を売らないと埋もれてしまうんですね。他社の興味を惹くには、どうしても売上が必要ですから。
また紀伊国屋書店の売上ランキングで1位を取ったりすることも大切です。いきなり無名の作家が1位になったら、出版社側も興味を持ちます。しかしブランディング出版だと紀伊国屋書店では1位を取れません。絶対数が他の書籍とは違いますので。
イ:そうなのですね。
しかし商業出版ができるようになった暁には、その後他社でもどんどん企画が通るようになる、というのは考えられませんか?
後尾:そうですね。松田さんの企画などはまさにその実績があります。出版社に企画を持ち込むと99%は通ります。
イ:段階を踏んで売上部数を伸ばしていけば、ゆくゆくはブランディング出版から商業出版に切り替えられる可能性がある、ということですね。
後尾:すぐ、というのは厳しいですが、それだけのノウハウや人が求めるオリジナリティがあれば決して不可能なことではありません。
出版社は商業出版で著者にどのようなことを求めているのか?
イ:では、出版社ではどういった本を商業出版したいと考えているのでしょうか?
後尾:そもそも、ブランディング出版と商業出版では出版の目的が異なります。ブランディング出版は経営者が社員に対して自分の理念を浸透させるために出したり、契約の成約率を上げるための信用を勝ち取るべく名刺代わりに出版したり、社員の教育のために本を作ったりしています。
それに対して商業出版は世の中に流通させるため、書籍を売って利益を出すために作られています。そこの目的が違うのです。そこには著者の意向が全て通用しないこともあります。あくまでも購買者目線で作る必要があるので、企画段階で売れないと判断されるとボツになります。なかなか商業出版の企画は通過が難しいのです。
イ:商業出版で出版社が売れる、と判断するポイントとは何でしょうか?
後尾:ペルソナが明確であることではないでしょうか。例えば「行動する勇気」の著者である杉山大輔さんから「本を出したい」といくつかの企画書をいただいたことがありました。しかし出版社側にその企画書を見せても「誰に何を伝えたいのかが明確になっていない。出版は難しい」という理由で全てボツになりました。
杉山さんはソニーの元CEOである出井さんに手腕をとても評価された方なのですが、織田信長に対する豊臣秀吉のように一歩踏み出すための準備を細かく、徹底的に行う人でした。そこでペルソナを明確にするためにも、読者に一歩踏み出す勇気を与えるための本にしよう、ということで「行動する勇気」という企画が完成し、採用されて出版に至りました。出版までの道のりは困難が多かったですが、この本は重版されています。
イ:そういった背景があったのですね。
後尾:はい。もう一つ商業出版の例をあげると、弊社役員の平田静子が手がけた「チーズはどこへ消えた?」の話も参考になるかもしれません。
この本を見つけた当初、平田は「この本は経営者が社員に向けて発信する際、すごくいいヒントになる」と考えて、本が完成した段階で100人の経営者にこの本を送りました。その結果、ソニーの出井さんがこの本を読み、社員に向かってこの本の話をしたところから火がつきました。今では累計400万部も売り上げているのです。明確な一人のターゲットから、裏にいる人たちへとつながっていく。そのためにも誰に何を伝えたいのか。そこが明確でないと商業出版としての企画の採用は難しいかもしれません。
イ:それ以外にも商業出版をする上で大切なことはありますか?
後尾:エビデンスは大切です。信用性、信頼性ですね。例えば未来の話をするとしても、いきなり何者かもわからない人がその話をしても信じるのは難しいですよね。ですが、もしその人が仮に秒速で1億円を稼いでいる経営者だとすると、そっちの方が話題にはなりますし、事実だから信憑性がありますよね。
あとは「○○療法」とか「これをやれば痩せる」とかそういった謳い文句の書籍にも同じことが言えます。著者が医師なのか、ライザップのような実績のある企業なのか、そういう事例がいくつも出せるのならばいいのですが、1件や2件しかなければ商業出版として売り込むのは難しいです。
スタックアップがプロデュースを担当した「アトピーが治った」でも7人の患者さんに実例として登場してもらっています。著者の横井謙太郎さんは医師ではなくNPOの方ですが、監修として清水良輔先生という医師の方に参加していただいています。アトピーの患者さんにも多くのパターンの方がいます。説得力を持たせるために医師の方に企画に参加してもらうことは大切なことです。
イ:情報に説得力を持たせることができないと商業出版は難しい、ということですね。その情報に関しては、どういった情報が求められるのでしょうか?
後尾:商業出版になる可能性が高いのは、世の中には伝わっていない情報だとか、ネットで検索しても出てこない、一般の方が知ることのできない情報ではないでしょうか。
例えば、KAMINOGEという雑誌ですが、ここにはプロレスラーの日常などが書かれています。昨今は芸能人やアスリートでもSNSで情報を発信していますが、プロレスラーにはSNSが得意な人は多くありません。最近ですと長州力さんがツイッターを始められましたよね。ここには、その理由やネットでは知ることのできないプロレスラーの裏側を知ることができます。
あとは、急成長している会社のノウハウなんかも商業出版としては需要があるのではないでしょうか。回転寿司チェーンのもり一の代表取締役である吉野智之が書かれた「へんてこ経営者の実戦経営道場」には、経営者としては目から鱗の経営ノウハウが掲載されています。企画に携わった私が「情報をこんなに公開してもいいんですか?」と思わず聞いてしまうほどの内容です。
イ:吉野さんはなんとおっしゃったのですか?
後尾:「いいんです。他社には真似できませんから」と。この本はブランディング出版ではありますが、こういった独自性のある情報も商業出版としてはかなり重要です。
スタックアップのブランディング出版がきっかけで商業出版で結果を残した著者は多く存在します!
イ:先ほど松田さんがブランディング出版から商業出版に移行されたとのことですが、それ以外にもスタックアップが携わった著者さんで、ブランディング出版から商業出版に移行された方はいらっしゃいますか?
後尾:高橋恭介さん(元:あしたのチーム)はブランディング出版から商業出版に移ったいい例ではないでしょうか。彼はもともと自社で考案した人事考課制度をブランディング出版して、その本をセミナーで配布されていました。商業出版のオファーが来たのは3冊目を出したあたりでした。
オファーが来た理由は、本がずば抜けて売れていたからではありません。コンスタントに続けた出版が商業出版に繋がったのです。当然、ブランディング出版でも重版になったりアマゾンでのランキング1位を獲得もされてはいましたが、継続して出版を続けるのも、一つの方法かもしれません。その後、人事考課サービスの成約率も飛躍的に伸びたとのことなので、成功例としてもあげられるかもしれませんね。
次に挙げられるのは、前田鎌利さんですね。最初に出版した「社内プレゼンの資料作成術」が大ヒットして、その後シリーズ化して3冊も出版されています。累計18万部で、中国や韓国、タイでも翻訳されて人気だそうです。出版後の反響もかなり大きく、現在では年間200本の講演会を国内外含めて行っていらっしゃるそうです。最初からここまで成功する例はあまりないので難しいですが、前田さんのようにブランディング出版から商業出版に繋がり、それが本業につながる可能性もゼロではありません。
イ:冒頭でお話しした松田さんも最初はブランディング出版でしたよね。
後尾:そうです。でも、今となっては出版社からオファーが絶えません。総販売部数は20万部を突破しています。
松田さんの場合はもともと自身のクラフトバンド協会に会員がいらっしゃったのも1つの要員としては挙げられるかもしれません。会員さんがブランディング出版と良い相乗効果をもたらしていたようにも思います。また、出版がきっかけでTVなどのメディアの露出が増えたことで会社への問い合わせが6倍に増えるなどして、2020年現在、「一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会」の会員数はついに10万人を突破されたそうです。
以前、松田さんにお話をお伺いした際、松田さんは「お客様の声に応えることでビジネスモデルができていった」とお話をされていました。このように、ニーズを読み取る力、汲み取る力、というものも商業出版を行う上では大切なスキルなのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
ブランディング出版でも、段階を踏んでいけば他社からのオファーが来て商業出版をする、ということは起こりえます。
まずは自分の思いを本を通して世に発信する、ということが大切です。スタックアップでは、お客さまの目的や理想をしっかり理解し、出版プロデュースを行なっております。
無料相談も受け付けておりますので、「ゆくゆくは商業出版を目指したい!」という方もぜひスタックアップまでお問い合わせください。
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