敏腕編集者が語る。編集者と出版プロデューサーの理想の関係値。
こんにちは。スタックアップ、ブログ担当です。
弊社は、本の企画〜販売戦略までをプランニングする「出版企画・総合出版プロデュース」の会社です。代表の後尾が自ら取材にも同行し、多くの経営者様の体験談や情熱を「本」という形にまとめ世に発信しています。
本日は「株式会社オフィス福永」の代表取締役、福永育子さんにお話をお伺いしてきました。
オフィス福永では本の企画・編集、校正・校閲にとどまらず、翻訳や企業のウェブコンテンツの企画までをも手掛けています。
経営者でありながら、これまでに900冊以上の書籍の出版に携わってこられた敏腕編集者の福永さん。手掛ける書籍は度々重版になることで有名です。最近ではアイビーシー株式会社 代表取締役社長 加藤裕之著、デジタル時代を生き抜く「エモーショナル経営」をご担当いただきました。
今回は編集者の視点からブランディング出版の利点、そして本づくりにおける大切なポイントを伺います。
■制作者、編集者の2つの観点を大切にしている。
インタビュアー(以下:イ):福永さんはスタックアップのことをよくご存知だと聞いています。お仕事のお付き合いはどれくらいになるのでしょうか?
福永さん:後尾社長とは、新灯印刷に印刷・製本をお願いしていた出版社勤務時代からのお付き合いで、もう10年近いです。初めてスタックアップからお仕事をいただいたのは昨年の12月です。
イ:10年も関わりがあるのですね! 編集者という職業柄、多数の出版社や出版プロデューサーをご存知かと思いますが、スタックアップの特徴とはどの様な点でしょうか。
福永さん:第一に、後尾社長の人柄ではないでしょうか。エネルギッシュで、フットワークが軽く、いつでもどこでも飛んできます。そして、どの立場の人にも垣根を作らず、率直にお話しくださるので仕事がやりやすいですね。編集者やライターと距離をとる人も多いなか、後尾さんは最初から我々と同じ立ち位置に立ってくださいます。
後尾:編集者目線に立つことはいつも意識しています。
福永さん:編集者は本づくりにおいて、ついついコストを度外視してしまいがちです。でも後尾さんはちゃんと制作コストのことも考えていらっしゃる。そこが違いますね。
それから後尾さんはスケジューリングが好きですよね!(笑) もちろんこの仕事はスケジュールどおりにいかないことのほうが多いのですが、でも各過程を見通して仕切ってくださるので、とても動きやすいです。
■「企画が決まれば終わり」ではなく、そこからもお手伝いします。
イ:それはスタックアップの強みとしても捉えられますか?
福永さん:本の制作に関するやり取りは、基本的に著者と編集者の二者間で原稿を完成させていくのですが、編集者はそれ以外にもコンタクトを取らなければならない相手がたくさんいます。例えば、出版社と印刷会社、イラストレーター、デザイナー、組版オペレーター、校正者など、すべてコーディネートするのが「編集の仕事」なんですが、でも後尾さんはそのうちの2つくらいをやってくださるので助かります。
後尾:出版プロデュースの仕事は企画を採用させる、ということにフォーカスされがちで、企画が通れば後の内容は基本的にノータッチというプロデューサーも多いのです。
福永さん:ええ。編集者って実はあまり出版プロデューサーとの接点はないんですよ。「企画が決まりました」と、そのまま投げられることが多い。
その点、後尾さんは著者や編集者も含めて、最後までちゃんとマネジメントしてくれます。
企画が通って、本のコンセプトや発行予定が決まると、後尾さんは著者との顔合わせにも立ち会ってくれます。初対面でいい関係を作りながら打ち合わせができるので、著者もこちらを信頼してくれますし、編集作業が非常にやりやすい。原稿を完成させて印刷にまで持っていくには、この信頼関係がとても大事なんです。
イ:著者と編集者の関係性が、制作にも影響を与えるということですね?
福永さん:締切に関しては版元さんの発行時期に合わせる必要があるので、そこは本を作る上できちんと守らなければいけません。でも、ゼロからモノを作る以上、原稿内容や進み具合に問題が生じることはママあります。対立する事態も起こりうるのです。後尾さんがそういう場面に介在してくださることで、お互いの関係や進捗がスムーズになることは間違いありません。
後尾:本を売ることよりも、何本の企画を通すかを重視する出版プロデューサーの方もいます。仕事のやり方はそれぞれ違うでしょうが、私の場合はもともと印刷業なので、本作りの過程は知り尽くしています。それが編集者をサポートすることに繋がっているのかもしれません。
なので「企画を決める!」というよりも、それ以降の動きが大切だと思っています。
福永さん:スタックアップなら企画から製本まで一貫してプロデュースできますからコスト安にもなりますし、制作期間の短縮に繋がりますよね。
校了して、下版して印刷という流れで本ができるんですが、スタックアップはそこからがものすごくスピーディなんです。他社の半分〜3分の1という早さで見本が上がってきますよ。生産一貫体制というのは強味ですよね。
後尾:たしかにうちはコンパクトではありますね。下版したら翌朝には刷版ができますから。他の会社は工場が分散していたり、印刷工程の調整に時間を要したりと、ロスが多いかもしれません。
■著者に対しても読者に対してもニュートラルな視点で本を作る
イ:改めて編集のお仕事に関してお聞きします。”良い編集者”というのはどこに基準があるものなのでしょうか?
福永さん:新卒で出版社に入った時から上司に繰り返し言われたのは、「著者に対しても読者に対してもニュートラルな立場であれ」ということです。
「編集者」といってもいろんなタイプの人がいます。著者に寄りがちなタイプだったり、読者に寄りがちなタイプだったり。そうすると一般読者のためになる本を作ることは難しいです。
著者の意向と読者のニーズとのバランスを取るのが一つ、大きなポイントになると思います。
イ:しかし企画を持って行く時点では「読者が求めているものはAでなくB!」という話をするじゃないですか。それなのに読者に寄せてはダメなのですか?
後尾:寄せすぎてはダメです。企画というのは、ニーズが市場にあるかどうかを把握する材料なわけです。そこのコンセプトに需要があることが前提。でも本を作る現場では、著者の想いを残さないと味が出ません。
福永さん:弊社でもマーケティングは常にやっています。売れている本は常にチェックしますし、章構成や見出しを見ながら世間が求めているものは何か、その本の何が読者の心をつかんだのか、リサーチします。しかし大切なのは、それからのさじ加減です。
単純に「売れているから、これを作りましょう!」では二番煎じになります。そもそも著者は世界でたった一つの本を作ろうとしているのですから、その思いを汲みとらなければ。著者と読者の良き架け橋となれ―それが編集者です。
逆に、自費出版(カスタム出版)の場合、「著者がお金を払っているから著者に寄せてもいいじゃないか」という考えになりがちですが、それでは読者が求める「良い本」は作れません。
後尾:福永さんに仕事の依頼が絶えないのは、そこをちゃんと著者に理解してもらうのが上手い。どっちつかずになってしまう編集者もいる中、時には力説してしっかり舵を取らないといけない。編集者というのは知識だけでどうにかなるものではなく、高いグリップ力が求められる仕事なのです。
■費用対効果の観点からも、企業のブランディング出版は有効的
イ:福永さんは企業がブランディングの手段として本を使うこと(ブランディング出版)を、どう思われますか?
福永さん:経営者が本を出すのはもはや主流ですよね。本をツールと割り切れば、会社をいかによく見せるか=ブランディングするには有効な手段だと思います。ブランディング出版の場合であっても編集者は「ちゃんとした読み物にする」ことに心を砕く、その姿勢は同じです。
社長さんにおもねることもしなくていいですし、それよりも会社のどこが一番の魅力、強みなのかを考えて発信する必要があります。本はホームページや一般的な会社案内とは違い、深堀りして情報を伝えることができます。逆に言えば、最近はそういった軽くて薄い情報さえあれば本が作れてしまう時代になってきていますが、深堀りしないのなら「本」にする意味はありません。
企業のパンフレットにかかる費用を考えれば、書籍のほうが安く作れます。宣伝広告費と考えれば本の制作費は安いものですし、ブランディングの一環として本を出版するのはアリだと思います。
後尾:費用対効果も高いですからね。書店での滞留時間(人の目に止まるチャンス)も長い。
福永さん:社員教育、入社式、セミナーや講演会など、利用できる機会はいくらでもあります。帯に掲載する推薦文も効果的ですよね。ビジネス書として出す場合、著名な経営者に推薦してもらうのも手です。スタックアップはそういうプロモーションもされていますよね。
後尾:キャスティングなどもやりますね。今回のアイビーシーの社長の本でも有名な経済評論家の方に推薦文を書いていただきました。
■スタックアップは執筆に集中できる環境を用意いたします。
イ:最後に気になっていた質問を一つだけ。冒頭で「後尾さんは常にやる気いっぱい」と仰っていましたが、それは特別なことなのでしょうか?
福永さん:言い換えると、後尾さんは「本をたくさん作りたい!」という気持ちが原点にあるので、常に能動的です。野球をやっていらっしゃったことも関係しているのか、簡単には怯まないですし。(笑)
経営に対するモチベーションが高いので、出版事業全体をうまく稼働させようという意志が強いんだと思います。
能動的だからこそ、本を作りたいという話があればすぐに動いて、関係各所と連携できる。そういうところ、尊敬しています。プロデューサーと編集者は一方通行の関係になることがほとんどですが、後尾さんの場合はそれがありませんね。
そういうフラットな部分はとても大切だと思います。プロデューサーとして、本を作るための環境をしっかり整えてくださる。スタックアップに制作を依頼するのは、著者にとって大きなメリットがあるのではないでしょうか。
イ:インタビューは以上です。福永さん、取材へのご協力ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
スタックアップは編集者にも逸材が揃っています。
ブランディング出版のプロデュースなど、お気軽にご相談ください。ブランディング出版によって、仕事の問い合わせが全国から来るようになった事例などもございます。
少しでもブランディング出版にご興味があれば、LINEでの無料相談も受け付けております。
今回ご協力頂いた「株式会社オフィス福永」のホームページはこちら。
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