東証一部上場「エモーショナル経営」加藤社長に学ぶ、人間関係の築き方
スタックアップです。
今回は7月4日に出版された
デジタル時代を生き抜く「エモーショナル経営」
アイビーシー株式会社 代表取締役社長 加藤裕之著
著者である加藤社長へのインタビュー、後編です。
■若い起業家に読んで欲しい。経営は泥臭い。
イ:前回は、ご自身の経験をアウトプットし始めた経緯を伺いました。ここでプロデューサーである後尾さんに伺いたいのですが、元の原稿を読んだ時はどんな印象でしたか?
後尾:あまりに赤裸々だったのですが、やはり一代で会社を東証一部上場された背景にはただならぬ歩みがあったのだなと。IT、社長と言うとスマートなイメージですが加藤さんの場合は本当に泥臭く努力されていて、現代の若い起業家の方々には刺さるのではないかと感じました。会社を経営するということは大変なことで、向き合うべきポイントをこの文章から伝えられるなと思いましたね。読んでいただきたいターゲットはそこです。
イ:当初のタイトルは「人情経営」だったと伺いましたが?
加藤さん:初めは出版社さんとそう言っていたけれど、人情だけでは会社はやっていけない。裏切られることもあるし反対に助けてくれる人もいる。
私はいつも51対49でいいと思っている。2%勝つためにどうすればいいか、ということを考えている。自分がイニシアチブを持ってやりたいなら51持っておかなければならない。だから49負けても51勝てばいい、という考え方が根付いているんです。そういう感覚で生きていて、人情じゃないですね。そこはロジカルに。
後尾:タイトルは初めからバチッと決まるものではありません。作っていく中でこの方向だよね、中身を考えるとこうだよね、と徐々に固まってくる。そういう意味では面白かったですね。なるべく表現を柔らかくして、事実を曲げずにオブラートに包む作業になりました。
■本を読んだ社員さんより、夜中の3時に届いたメール
イ:本は社員さんには配られたのですか?
加藤さん:まだ届いたばかりで、読みたい人は進呈しますという話を朝礼でしただけです。
イ:それって全員手を上げざるを得なくなりますよね(笑)
加藤さん:一応私からではなく総務の担当者からもらってくださいと伝えています。(笑)
最初にコメントをくれた社員は、その日の夜中の3時にメールが届いていて「これまで社長が言っていた話の背景を理解できた、自分の甘さを痛感した」ということが綴ってありました。
他の社員も「自分が入社した時にそんなことが起きていたとは知らなかった」と話していました。
最初は社員に読んで欲しいと思っていたから。この環境は当たり前ではないんだよ、ということをわかって欲しかった。その上でIT業界は20代30代がもっと前に出てバンバン企画してやっていけばいいんです。
裏を話せば、本には書けない面白い話がまだまだいっぱいあるんですけどね。
後尾:そういう内容は出版記念パーティーとか、セミナーを開いた時にとっておくとより興味が深まりますよ。「ここだけの話」というやつです。
■人を大切にする
イ:今、AIや自動運転やRPA、IOTと様々なテクノロジーが世の中を賑わせていますが、加藤さんの考える経営の大切な部分とは何でしょうか。
加藤さん:泥臭いところを経営者は見ないといけない。人を大切にすることもそう、中も外も人間を見極めること、数字で語れる状況を作ることというのはメッセージとしてこの本に込めました。
結局ロボットもAIも決まったことしか判断できない。人間の感性だけではどうにもならないけれども、人との出会いとかタイミングを逃してしまうと上手くいかない。
交通事故も1秒の違いで生死が分かれる。経営ってそういう世界だということです。この人と出会わなければ会社はないということも書いていますし、きっかけを作ってもらっても結果がなければ商売をもらえなかった。そこでいかに「時間と人とビジネス」のタイミングを逸しなかったか、ということを読み取ってほしい。
タイムリーに人より早く仕事を終わらせたり、限りある資源の中でそれをクローズしないといけない。今は大企業からの出資も珍しくなく資本金だけ大きくなって、自分のお金と分け隔てなくなってしまうとか追加増資すればいいという経営者もいます。
この本はそういったところに警鐘を鳴らしている。私は自己資本でやってきたので。吹っ飛びそうになりながら。
しかし世の中にはチャンスは散りばめられているんです。それを拾えるかどうか。そういう感性や人格、チャンスだと思える感覚をエッセンスとして含んでいます。
イ:加藤さんのように、人から相談されたり、助けられたりそのような人間関係を作るにはどんな過程があるのでしょうか。
加藤さん:経営者とのコミュニティもありますが業種関係なく人と会うことです。分け隔てなく人に会います。偉ぶることもしない。やりたいことや興味がいっぱいあるので。
イ:そこでどんな話をするのですか?
加藤さん:ビジネスだけじゃなくて、人って自分とは違う人が面白いわけですよ。私は優等生も劣等生も経験している。優等生は短い期間ですけどね。(笑)
いっぱい引き出しがあるから私と居ると絶対に面白い。日本には一流大学を出ていれば、スポーツで秀でている人もいる。でも私みたいな人はいない。そこには自信があります。
■この本を「私の奮闘記」にはしたくない
後尾:最後に私から一つ質問させてください。この本を読んだ読者に期待することを教えてください。
加藤さん:夢や希望を持ってもらえると良いなと思います。頑張っている人、人のために何かをやっている人が後悔でなく上手くいかなくても一生懸命やっていればどこかで上手くいく。でもそれなりの人と出会わないとそれなりにはいかないから、自分の器を上げないといけない。
読んでもらって希望を持っていただき、読み取れるものを自分なりに噛み砕いてライフスタイルに組み込んでもらえると嬉しいです。そして自社の社員にも同様に思っています。
読み物としてはただの私の奮闘記にはしないつもりで作りました。
加藤社長、ありがとうございました。
インタビューを終えて、初めてお会いした加藤社長は何を質問しても答えてくださる非常に気さくな方でした。これから起業を考えている方、すでに会社を経営している方も、そしていつかの加藤社長のように会社が思うように成長しないと頭を抱えていらっしゃる方、この本が背中を押してくれる一冊になることでしょう。
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