ベストセラー人気著者に聞く!売れる本の作り方。 〜クラフトバンドのインストラクターは、食べていける資格〜

スタックアップ編集部です。

今回も前回に引き続いて、クラフトバンドを用いたバッグやかごのレシピ本でベストセラーを生み出した「松田裕美」さんのインタビュー、第3弾です!

前回のインタビューでは電話1つからのスタート、ボランティアで始めた教室が大流行りしてしまい、100人近くの生徒さんの為、材料集めに奔走する所から、事業展開。更には現在の会社に発展を遂げるところまでを通して、松田さんの行動力・決断力を浮き彫りにすることが出来ました。

しかし、忘れてはならないのが、松田さんはいち経営者でありながら、同時にクラフトバンドの資格制度を作り、現在も通信講座を展開していることです。

そこで、今回は松田さんの事業の本質であり、大事な屋台骨の1つでもある「通信講座」についてお伺いしていこうと思います。

インタビュアー(以下:イ):松田さん、今回も宜しくお願いします。さて、前回ではボランティアから発展し、ネットショップが成功した所までをお伺いした訳ですが、クラフトバンドの講座も開講されていますね。今は生徒さんは何名位いらっしゃるのですか?

 

松田さん:受講くださっている方々は2850名ほどです。

 

イ:ネットショップも24時間稼働されていて、そんな大勢に教えていらっしゃるなんてにわかに信じられません。

 

松田さん:それは通信講座ですから!入会してくださる方には、クラフトバンドの先生になりたいという方が多いです。協会認定講師の資格を取得したいと。

■教えることへの期待とジレンマ

 

松田さん:教室を開講していたときの経験から、ずっとボランティアでやっていたので、「お金をいただき辛い」と思うことがよくありました。
当時私が教えていたクラフトバンドの編み方は1種類です。それでも「先生」には変わりない。だから「クラフトバンド教室」でお金をいただくというのは何か自分の中に引っかかる様なものがありました。

ボランティアで活動していると、「友達なのにお金取るの?」「これしか教えてくれないのにお金取るの?」というお声もありました。でも、教える側は毎晩寝る間も惜しんでハサミで材料を用意する。それがちゃんとした「資格」があれば、受講される側も開講する側も、納得のいった上でお金の受け渡しができるのではないかと考えたんです。

 

イ: しかし資格にするとなると、大変なことですよね?どんな所から始めればいいのか見当もつきません。

 

松田さん:まず私は紙を仕入れている工場の社長さんに「もっと編める種類を増やして、私がまずカゴを編む『資格』が欲しいから、誰かクラフトバンドに長けている人を知らないか?」とお尋ねしました。そこで静岡県に籠作りに精通している凄いご婦人がいるという情報を入手して、それで毎月毎月、静岡県にカゴの編み方を習いに行きました。半年かけて13種類編めるようになったら、手書きのお免状をいただきました。

 

イ:そのご婦人から免許皆伝された訳ですね!

 

松田さん:そう。資格をもらって初めてやっと「1人500円ください」と言えるようになりました。それがなければ「資格もないのに?」と言われてしまうから。

 

イ:資格があれば立派な先生ですね。

松田さん:それでも課題はありましたよ。私が半年で習ってきた13種類の編み方は、受講生にも半年で追いつかれてしまう。初めのインタビューでも答えましたが、もともと私は手芸は苦手な方ですから、生徒さんの中には私より上手く編めてしまう人もいます。
13種類位だと簡単にマスターされてしまいます。そうなると「これでおしまいなの?」って、もっとハイレベルな編み方を要求されるようになりますよね。
すると「私は、この程度なのか?」と。自分自身、ここまでやってきたプライドもあるし。

それでまた半年がかりで、今度は世界中の編み方を調べ始めました。
「編み方」は世界中にあります。どんな小さな島国でも色んな編み方があって、中にはちゃんと編み方がテキストになっていない物もありますが、作り方が分からない物は写真集とか雑誌とかを切り抜いて拡大してしてみて「どう編んであるのか」を自分なりに実践しました。

それからデパートに陳列してある値が張りそうな商品でも、見た事のない編み方で作られていると実際に買ってバラしてみて「こういう編み方もあるのか」と勉強しました。それで半年がかりで100種類を独学で研究し、テキストにしたんです。

イ:かっこいい!松田さんの本気を感じます。

■資格に込めた想い

 

松田さん:それこそ、寝ても覚めても明けても暮れても…とにかく!ずっと編み続けて100種類を開発しました。これだったらどんなに頑張っても最低でもマスターするのに8ヶ月はかかります。そこで協会を立ち上げて、新しく「資格」として申請したんです。
「一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会」。自分で作るために学ぶ「クラフトバンド実技講座」と「インストラクター養成講座」があります。
この100種類がマスターできると、あとは編み方の組み合わせ次第で無限のパターンを作れますから、どんな編み物も見ただけで編み方がすぐに分かるようになります。

ただ、資格を取るのは非常に過酷ですよ。それこそ8ヶ月の間、毎日クラフトバンドに向き合うくらいの集中力がいります。それでも難しい資格にしたのには理由もあります。難しくても、しっかり身になる資格にしたかった。それは資格を出す側の最低限の礼儀だと思ったから。

例えば、1日や2日の受講でお金を払えば取れる資格って沢山ありますよね。それって裏を返せば1日や2日で生徒さんも同じレベルまで到達できるってこと。資格を取って頂く以上は、本当に身になる資格、ひいては「先生」と胸を張って開講できるような資格を取って頂きたいんです。

世にあふれる人気な資格は教室を開こうにも、先生が飽和状態でなかなか難しい。でも2850人という人数は、町単位で見ればまだまだ珍しく、開講しても他の教室とバッティングしません。現に、もうクラフトバンドの先生として生計を成り立てている方も多くいらっしゃいます。

 

イ:そこまで考えて資格制度を作られていたとは恐れ入ります。
それだけ取得が難しい資格だと、途中で投げ出してしまう方もいらっしゃるのではありませんか?

 

松田さん:これがなんと、9割の受講生が卒業されています。通信講座を受講されるからには、こちらも「テキストを渡しておしまい!」なんて事はとてもできません。
通信講座は顔が見えない分、続かない。ですからコミュニケーションは密に取っています。作ったら作った分全部送っていただいて、編み方が合っているかチェックし、その都度間違いがあれば正しい方法をアドバイスして送り返しています。

他にも途中で止まってしまった場合は「どこで行き詰まってますか?」と3ヶ月連絡がなければこちらから電話を差し上げたり、電話での質問対応もやってます。でも物がクラフトバンドですからね、骨の折れる内容ですよ(笑)。「今どっちの手にどの紐持ってますか?」「どういう状況ですか?」なんて(笑)。本当に、対応してくれるスタッフには頭の下がる思いです。

■松田さんの考える、クラフトバンドの魅力

 

イ:素晴らしい試みですね!どのような方が受講されているのでしょうか?

 

松田さん:今入会している人たちは40代以上の女性、育児に一区切りがついた50代の女性が多いです。老後のことを考えて受講される方も。正直な話、年金だけでは将来が不安ですから。

クラフトバンドは、数ある資格の中から「食べていくことのできる」資格として選んで頂いていると思っています。だから尚更力が入ります。卒業の暁に自信を持って開講して頂くためにも。

 

イ:今回のインタビューで、最後の質問ですが「クラフトバンドの一番の魅力」とは一体どんなところでしょうか?また今後の展望も一緒にお聞かせ下さい!

 

松田さん:クラフトバンドの魅力は、すぐに完成すること。2時間もあれば作れてしまいます。
そしてどんな面から見てもコストパフォーマンスがいいこと。カゴバッグ1つに材料費は300円、カラーなら500円。それが2時間で完成します。

プレゼントにビーズアクセサリーやニットのセーターももちろん素敵な物だと思いますが、実際に受け取ったらちょっと重く感じてしまったり、あげる人を選んでしまうこともある。
それが2時間で完成して、500円であればあげる方も貰う方も気が楽ですよね。
家に置いておいて「何か入れとこう」くらいの感覚で使って貰っても良いんです。
誰にでもできて始めやすいから、作る方も楽しいんだと思います。

今、老人ホームやデイサービスへの講師派遣もしているんですが、お孫さんの為、お嫁さんの為にとご飯食べるのもそっちのけで凄く楽しそうに夢中で作ってくださるんですよ。

そうやって作ったものをプレゼントされると「コレ、おばぁちゃん作ったの?すごい!」って褒めて貰えたりするみたいで。その出来事を話してくださる顔がとっても嬉しそうなんです。
褒めてもらえるのは嬉しいし、やる気になる。

講師の方も「次はいつ来るの?」「次はいつレッスンできるの?」とお声がけをいただくそうで、本当にそんな話を聞くとこっちまで嬉しくなっちゃいますよね!

イ:みんなが笑顔になるサービスなんですね!指先を動かして、健康を維持するのにもピッタリですね。今後の展望はお考えですか?

 

松田さん:展望…、考えたことありません。でも、やっぱりずっと楽しくいたいなって思います。私も色んな生活スタイルを送ってきましたが、今こうして人に喜ばれる仕事ができて本当に生まれて来て良かったとさえ思っています。

クラフトバンドの講座は大きく「社会貢献型」の会社だと考えてるし。おばあちゃんの話もそうですが、はじめに「教えて」って言ってくれたママ友も、全部の出会いって不思議だし感謝しかありません。

 

イ:今回も本当に素敵なお話をありがとうございました!今回の記事で松田さんの根本にあるのはやはりホスピタリティの精神なのだろうと感じました。

 

次回は遂に弊社スタックアップの社長との出会い、出版について書かせて頂きます。
松田さんは「ネットショップ」そして「通信講座」さらにはベストセラーの本まで出版されているのです。
何事にも精力的で、こだわりをお持ちの松田さん。次回もぜひ楽しみにしていてください。

 

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