カリスマライター上阪徹に聞く!ブックライターの極意!(前編)

こんにちは、スタックアップです。
 
本日はブックライターとして、
『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)
『僕がグーグルで成長できた理由』(日本経済新聞出版)
『職業、ブックライター。』(講談社)
『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)
『リブセンス』(日経BP)など、
数々のヒット作を世に生み出し執筆依頼が殺到。現在はブックライター養成講座まで開講されているカリスマライターの上阪徹さんにインタビューしました。
 
上阪さんがひと月に執筆される量は10万字。なんとひと月に1冊の本を執筆なさっているのです。どうすればその驚異的なスピードでヒット作を次々と生み出せるのでしょうか。また、ビジネスライターとしての極意までお伺いしました。
 

■ブックライターの仕事とは


インタビュアー(以下イ):本日はよろしくお願いします。はじめに上阪さんのお仕事について伺いたいのですが、前提として企画は出版社の方から上阪さんに執筆依頼という形で入ってくるのですよね?
 
上阪さん:はい。ほとんどのケースで企画をいただいて書いています。
例えば私の著書である『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』は、編集者に企画が浮かんだ時に私に執筆依頼が来て、取材事項などを打ち合わせで一緒に決め、取材〜執筆までを行ないました。
 
イ:企画に応じて執筆されるとのことですが、上阪さんご自身の本を書かれるのですか?それとも著者は別の方なのでしょうか?
 
上阪さん:基本的にブックライターというのは、他の方のお話を私が代筆して書籍にするという仕事をそう呼んでいます。一昔前はゴーストライターなんて呼ばれていましたが、それはあまり心地よくない言われ方ですよね。この仕事の魅力と、ビジネス書の作り方をより多くの人に知っていただこうと、2013年に出した「職業、ブックライター。」という著書から、ブックライターという職業名を提唱するようになりました。
 
実は、自分で書けるのにも関わらずインタビューだけをしてもらう人もいます。自分で自分のことを黙々と執筆するよりも、誰かに聞かれて口で語った方が色々なことを思い出せるから。忘れていた面白いネタも、誰かに話していると意外にポロっと出てきたりしますよね。
 
イ:確かに。それはよくわかります。
一方で上阪さんご自身のお名前で出版される時の依頼とはどういったケースなのですか?
 
上阪さん:成城石井の本がそうですね。出版社の中で取り上げたいテーマがあって企画が立ち上がり、「上阪徹」の本として出す。
 
イ:その場合ピックアップされる企業側は、上阪さんの本として世に出ることに抵抗はないのですか?
 
上阪さん:逆に喜ばれますよ。宣伝にもなりますから。企業によっては、お金を払うから自分の会社を取り上げて欲しいという会社もあります。
第三者が書いた本だからこそ成立することがあるからです。
 
自分で自分の事を褒めるのは意外に難しい(笑)。でも、私が褒める分にはスマートですよね。賢い人は自分で自分を褒めるようなことはせず、第三者に横から褒めてもらうんです。
 
イ:なるほど。それは依頼が殺到しそうです。第三者の話の方が信憑性がありますし、褒めてもらいたい…。
上阪さんのお仕事の流れがまだあまりイメージできていないので、ブックライターの場合を具体的に教えてください!
 
上阪さん:
①まず依頼が来て、打ち合わせをして企画の方向性を確認します。ここでは自分の意見を伝えディスカッションすることもあります。
②そして多くのケースで本の著者さんには初めてお会いしますので、最初にプレ取材を1時間くらいさせてもらいます。どんな人なのかを知る、どんな本を書きたいかの大枠のアウトラインを掴むためです。
③それをもとに取材のための台本、取材コンテを用意します。2時間✕5回が多いので、毎回何を聞くのかを決めます。取材コンテは編集者にも、著者さんにも共有します。著者さんに何を喋ればいいのか理解しておいてもらうためですね。そうすると過不足なくインタビューができる。
④インタビューが終わった後にはテープ起こしをお願いして、上がってきたスクリプトを丸一日かけて読み込み、そこから目次を作る。
⑤目次ができたら、その項目の内容がどこに書いてあるのか細かく付箋で分け、「部品」を整理し…
⑥一気に5日ほどで書き上げます。
 
この一連の流れをやって、推敲して月末に納品する。毎月粛々と。(笑)
 
イ:通常ライターが3ヶ月かかるところを1ヶ月で納品するわけですよね!?どうやってそのスピードを実現されるのでしょうか。
 
上阪さん:執筆のリズムを作っています。
私は雑誌やwebの記事もあるので、月の1週目には本の内容を先にまとめてしまいます。
テープ起こしされた取材のスクリプトを読み込んで、内容を先ほど言った目次の項目ごとに分けて付箋を貼ります。
 
ここからここまでは1章の内容が書いてあるからピンクの付箋、2章は水色、という感じです。どこにどの内容があるかわからないと大変じゃないですか。
 
これらを「部品」と「設計図」だと言っているのですが。部品が細かく付箋ごとに分かれたパーツで、コンテが設計図。それを照らし合わせるように用意しておく。
そうすると1章を書く時はその分厚いスクリプトの中からピンクの付箋を貼った所だけを見て、さらに1章に10項目あるとするならば、項目のキーワードを付箋に書いておけば、1章のこのキーワードについて書く時はその付箋が付いている所だけを見ればいい。
 
その様なセットを1週目に2日か3日で作る。
2周目には一気に書く。原稿用紙300枚くらい。
3週目4週目で推敲して、納品!
 
一同:すごっ!(笑)
 
上阪さん:何も用意なしに300枚書けって言われたらできませんが、書くこと決まっているので、目次もできてるし。
 
イ:目次も上阪さんが決めているのですか?
 
上阪さん:ほとんどのケースでそうですね。編集者に持っていって、これで行きますがいいですかとOKもらって決めてしまう。
 
一同:・・・行き詰まることって、ないんですか?
 
上阪さん:行き詰まれないんです。止まれないんですから!(笑)
 
イ:いやでも、設計図作ったあとに、「あれ、なんか違うな」ということありませんか?
 
上阪さん:目次を作るときに手抜きをするとそうなります。
目次作りや付箋貼りでいい加減なことをするとそういうことが起きます。
 
2章目の2項目目を見たら付箋1枚しかなくて、しかも3行しかないとか。これでは書けないですね。
 
私は大体1冊を50項目に分けます。
1項目2000字。
50項目で10万字。
だから1冊書くのが大変だなと思ったら、2000字のコラムが50個あると考えればいい。
5章に分けたら1章につき10項目。基本はその考え方です。
だから2000字を満たせるような内容のメモを用意しておかないと書けませんよね。
 
なぜ自分で目次を作るかというと、編集者が作る目次は魅力的になっているんです。多くのケースで。しかし「この内容って、2行しか書けませんよね!?」「これは3行ですよね!?」「どうしますかこれ!?」というのがまぁまぁあるんです。(笑)
 
目次が魅力的なのと、書きやすいのとは全く別の話で、あくまで部品を積み上げてから設計図を作らないと書くときには困ります。最初に何もないところから設計図を作るのではなくて、部品と設計図を合致させて作らないと5日間では書けません。
 
ライターが見ている”原稿を作る時の視点”と、
編集者が見ている“目次を作る時の視点”は違うんですね。
ここに気をつけないと大変なことになります。見出しは後で作っていただければいいので。
 
なので付箋がすごい枚数になるんですよ。これは少ないほうですが。

(上阪さんのSNSより。書き起こしのスクリプトにはきっちり色分けされた付箋がびっしり!)
 
いつか付箋メーカーさんに協賛してもらえないかなと願っています。こんなにいっぱい使ってるよ!っていう。(笑)
ちなみにこれは塾でも教えているやり方です。
 
上阪さん、ありがとうございました!
前編では、上阪さんにひと月に10万字を書き上げるライティングの秘訣を伺いました。
後編では、売れる本のターゲティング、ビジネスライターとしての信念について伺います。
お楽しみに。
 
上阪徹さんの公式サイトはこちら。http://uesakatoru.com/profile/
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