出版プロデューサーに聞く!売れる本の作り方:企画編

2018年6月19日

株式会社スタックアップ編集部の社員Tです。売れる本を出版することを目指して、出版企画プロデュースを日々勉強中です。

さて梅雨になり雨の日が増えていますが、そんな日に読書はいかがでしょうか。

と言いたいところですが、2017年の総務省統計局の家計支出データには、6月がもっとも書籍代が少なかったというデータがでています。みなさん雨の日はあまり読書をされないみたいですね。

大雑把にまとめると年間平均で1世帯あたりの書籍代は3、4千円/月といったところです。そのうち、半数くらいを新聞が占めていますので、純粋な書籍代となると年間で1万円程度。

1世帯年間1万円に対して、年間数万冊の新刊が出版されていて、もう想像がつかないほど熾烈なパイの奪い合いになっています。

その中で売れる本を作るためにはどうしたらいいのか、本日は企画の面からお話したいと思います。

弊社の代表取締役で、出版プロデューサーでもある後尾(ごのお)に、「出版社に提案する企画のコツ」を聞きました。売れる本の企画はどうやって作るのか、とお考えの方には、ぜひご参考にしていただける内容かと思います。

インタビュアー(以下、イ):早速ですが、前回インタビューの中で「出版したい、という方が伝えたいメッセージがぼんやりしていても、取材すれば見つかる」と言っていました。

(出版プロデューサーに聞く!長く読み継がれる本の条件)

具体的に、本になる企画のネタはどのように探っていくのでしょうか。

 

後尾:その方が持っている要素の中で、何を本にすると面白いか、これなら人は知りたがるだろう、というのは話を深く聞いてみないとわからない。例えば本人としては「この考えを本にしたい」と思っていても、実はそれは枠の中のたった一部だったりする。

深掘りしていくと色んなアプローチの仕方が可能性として出てくるので、取材は人生の棚卸しの意味合いが強い。

どこで生まれ、学生時代に何をしていて、何が趣味で、と生い立ちから聞いていく。現在に至った経緯を背景から聞くと、企画を作り込む時に「なぜそのテーマで語る資質があるのか」「なぜこの仕事に従事しているか」が明確になってくる。それなくして表面だけだと企画書自体に重みがなくなってしまう。

 

イ:ここでは敢えて聞きますが、企画書は作った後どうするのですか。

 

後尾:企画書は出版プロデューサーが作って出版社に持っていく。そこで通るか通らないかを出版社が検討する。

たとえば、「写真代行販売事業」を手掛ける株式会社ハッピースマイルの佐藤社長

最初に作った本は、自社の認知度を上げるための会社紹介や自伝的な内容の本。

ただ、取材を続ける中で、ハッピースマイルのビジネスモデルや、全く新しい考え方に衝撃を受けたんだ。そこで、元々は自衛官だった佐藤社長が今に至るまでの経緯、ビジネスモデルだけを抽出した2作目の本を現在作成中。

 

イ:なるほど。他に例はありますか?

 

後尾:前田鎌利さんという書道家さん。始めは書道の本を出したいという依頼だった。

少し抽象的で企画は通らなかった。でも、よくよく聞いてみると、なんと前田さんは孫正義さんにプレゼンをして一発OKを出した、ソフトバンクアカデミアの初期プレゼン王だった。その経験を本にしたのが「社内プレゼンの資料作成術」

 

イ:当初の希望とは異なる内容ですが、満足していらしたのですか?

 

後尾:それは大満足でしょ。書道教室の方も全国展開になってるし、本もベストセラーになって企業からの公演依頼が殺到してるよ。

 

イ:なるほど。後尾社長にとっての「企画」とは何ですか?

 

後尾:企画は演出。語るための資質や要素があるのかを考える。よく「これからこういう仕事を始めるので本を出したいんです」と言われるのだけれど、正直それは難しいケースが多い。

「これから」の話だと内容の裏付けが難しく、場合によっては自費出版で出すしかない。

 

イ:インタビューでは厳しい質問も多くなりますか?

 

後尾:そんなことはないよ。根掘り葉掘り聞くから、まずそこで著者の方とは仲良くなるし、信頼関係ができると、話を引き出しやすくなる。あらゆる質問をするけど、絶対に否定はしない。そこにこっちの意見は必要ないから、本人が話しをしやすいように流れを誘導する役割だね。

 

 

イ:企画書を作る上で必要なことは何ですか?

 

後尾:企画書の要素として重要なものが何点かあるんだけど、取材した上で本人に用意してもらうことは、

 

1.その内容を話すご自身の資質
これは、本の袖に必ず乗る著者プロフィールになるもの。

 

2.企画意図
なぜそれを世に伝える必要があるのか、ということ。これも重要。

 

3.目次構成
これは箇条書きでまとまってなくてもいい。何を語りたいかという部分。

 

4.誰に伝えたいか
マーケットの、市場の誰に伝えたいのかを考える。

 

イ:企画書の流れとしてもその順番ですか?

 

後尾:企画書の一番初めに企画意図を伝え、その次に語るのはこの人ですと著者を紹介する。その次に箇条書きの目次を用意する、という順番。我々には企画意図は作れるけれど、細かい目次構成は本人で用意してもらう必要がある。

どんなに有名な出版プロデューサーも、これなら売れる!と思ってひとつひとつ作っている。それでも世の中に出ている本は精査されていて、その中で売れるのはたった一握り。どれも企画からしっかり練られているという点は共通してる。

 

イ:後尾社長がプロデュースしたい人はこんな人!という像はありますか?

 

後尾:世に発信したいという思いが強い人。本を作るのには時間がかかるし、体力がいる。前回話した通り、スタックアップにとって本というのは文化の継承であり、次世代まで残していけるメディアである。だからこそ発信したいというメッセージがはっきりしている人じゃないと続かない。

スタックアップは必ず個別に面談を設けているから、まずは本を通じて伝えたい想いを一度聞かせてほしいと思ってる。

イ:なるほど。じっくり向き合う「個別面談」は、今までクレームが一度もない大きな理由でもありますね。

少し質問は変わりますが、今まで会ってきた著者の方々は、みなさんどのような用途で出版を希望されていたのですか。会社紹介以外にあれば教えてください。

 

後尾:自分がやってきたことを形にしたいという人もいるし、セミナーや公演で配布したいという人は多い。「本を出している」という事実で、すごい人なんだ!と評価されることもある。また本の中身を読めば、公演で聞いた話の信頼度が上がり、説得力が増す。

そういう効果から集客や採用のプロモーションのために出版したいという人もいる。

テレビCMとの大きな違いは、費用と滞留時間。

本は書店に並び1年以上も滞留時間があるし、活用の仕方によっては顧客の増加や企業拡大にものすごい効果をもたらす。ちょうどその辺りの成功事例をもっと伝えていこうと動き出しているところなんだ。

 

イ:先日も「あなたの会社の売り上げが確実に伸びる出版の活用法」というセミナーを開催したばかりですね。人生が変わった著者のストーリーに会場は非常に盛り上がっていました。ぜひその様子もお伝えしていきましょう!

 

スタックアップでは、出版したい想いを「売れる本」へと導くことができるよう、これからも全力で取り組みます。ご質問やお問い合わせはこちらからお気軽にお寄せください。