カリスマライター上阪徹に聞く!ブックライターの極意!(後編)

こんにちは。スタックアップです。
 
本日はブックライターとして、
『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)
『僕がグーグルで成長できた理由』(日本経済新聞出版)
『職業、ブックライター。』(講談社)
『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)
『リブセンス』(日経BP)など、
数々のヒット作を世に生み出し執筆依頼が殺到。現在はライター養成講座まで開講されているカリスマライターの上阪徹さんにインタビューしました。
 
前編では上阪さんのライティングのノウハウを中心に伺いましたが、後編では執筆へのこだわりと、このインタビューシリーズのテーマでもある”売れる本の作り方”という質問をしてみたいと思います!
 

■読者の役に立つ本作り


インタビュアー(以下イ):引き続きお願いします。ここまではライティングの秘訣について伺ったのですが、これだけは聞いておきたい質問があります。
上阪さんは売れる本はどのように作るものだと思いますか?
 
上阪さん:売れる本っていいますけど、まず売れる本が何なのかって難しいですよね。
私がもし「売れる本書いてくれ」と言われたら「何万部売れたら売れたことになりますか!?」「どんなターゲット層にウケたらいいんですか!?」と根掘り葉掘り聞くでしょうね。(笑)
 
何をもって売れる本とするかは人によって異なります。だから私は、最終的に読者の役に立つ本を作ることを目指しています。売上が3000部でも、読者が「これを買って本当によかった!」って思ってくれるのなら私はいいと思っています。
人がお金を出してわざわざ本を買うってすごいことなんです。だったら役に立つ本を作りたい。人にお金を払ってもらうって大変なことですよ。
だから、文章の上手い下手なんてどうでもいいんです。どうやったら上手く書けますか、と聞かれることもありますが、私はまったく興味がないんです。読者が求めているのは、上手い文章じゃなくて、わかりやすい文章です。そして、それ以上に内容です!中身です!
 
イ:なるほど、では人の役に立つ本作りって具体的にどうやってなさるのでしょうか。
 
上阪さん:これもまた色々あって、どうでもいいように見える情報が、ある人にとっては垂涎の情報だったりもするんですよね。なので、ターゲティングが極めて大事なんです。
例えば、老舗レストランのオーナーに、60周年記念でレストランの歴史についての本を書いてくれと頼まれたとする。ただのレストランの歴史をそのまま出版しても、読者の役に立たないでしょう。
そこで、ターゲティングを考える。そうすると、「どうやって次世代に事業を承継するか」という、中堅中小企業の共通の悩みを切り口にすることができたりするわけですね。全国の、事業を承継する二代目三代目をターゲットにする。こうした建付けを作るときには、ターゲットと目的をしっかり設定すると、より魅力をピックアップしやすくなるし、読者に情報が届きやすくなります。
 
上阪さん:会社や個人をアピールしたいからと、ただその会社や個人の遍歴だけを載せても誰かの役に立つわけではありません。でも、ターゲットを変えれば、いろんな切り口が生まれる。例えば、投資家に役立つ内容の本にしたりするのも一つですね。
恋愛アプリだけで年商100億円を稼ぐ会社があったのですが、事業の内容が内容なので投資家に理解してもらえない、と社長は悩んでいました。そこで、恋愛アプリだけでそこまで売り上げた秘訣、いかに会社の財務体質が健全かなど、投資家が興味を持ちそうな情報という観点から展開していった本があります。
読者の役に立つ情報を提供するには、こうしたターゲティングが重要です。
 

■人のために仕事をする


イ:先ほどから読者の役に立つことにこだわってらっしゃるようですが、どうしてそのこだわりに行きついたのでしょうか。
 
上阪さん:私は若い頃はとてもギラギラしていました。お金も欲しいし有名になりたいしモテたいし(笑)なんて思って、就活では入社が極めて難しい会社だけを受けたんですが見事に選考で落とされました。
 
その後、転職を経てたどり着いた会社が倒産し、いわば流れでフリーランスになったんです。
地位も名誉も財産も職まで失って、落ちるところまで落ちて、ひとつ決めたことがあった。これまでずっと自分のために仕事をしてきたけど、これからは自分じゃなくて人のために仕事しよう、と。これが人生を大きく変えるターニングポイントになるんです。
 
イ:自分ではなく、他の人のために一生懸命働く。異色の経歴を持つ上阪さんならではの人生哲学なんですね。これまでのご経歴が今のお仕事に繋がったのですね。
 
上阪さん:すべての仕事の経験は意味を持ってくると思います。広告の仕事をしていましたから、メディアはどうやって利益を得ているか、自分はどんなお金を報酬としてもらっているのかも、はっきりわかった。
広告主がいて、買ってくれる人がいて、私はお金がもらえるわけです。本当にたくさんの人が関わって、私の仕事は成立している。原稿を書いたからお金がもらえるんじゃないんです。そのプロセスの中で、例えば自分の仕事が遅れたらどうなるか。
編集者の人も印刷会社の人も、営業もクライアントも困りますよね。締め切りを守らない人は、この「自分がお金を払ってもらえるプロセス」が見えていないのではないかと思います。
 
私はライターとして締め切りを守ることは絶対だと思っています。それは仕事だからです。
ここを勘違いしているライターが少なくないと聞きます。ライターの仕事は多くの場合、依頼を受けて、それに応えていくビジネスなんです。締め切りを守らないビジネスパーソンは失格でしょう。それでも締め切りに遅れたいなら、作家になればいい。
ライターはあくまで経済人、作家は文化人です。そこを都合良くいったりきたりしてはいけない。
 
イ:上阪さんはライティング講座も持っていらっしゃると思いますが、講座ではその辺りも厳しく言っているのでしょうか。
 
上阪さん:もう締め切りは守る前提で話をしていますね。
 
イ:ということは卒業生の方に依頼すれば期日は安心ですね!加えて上阪さんの塾の卒業生は技術的にも評判だと聞いています。
 
上阪さん:期日は守ると思いますよ。そうでないと私の顔に泥を塗ることになるから、とみなさんおっしゃっています(笑)。
講演などでもよく言っていることは、ライティングは原稿100点、締め切り100点の200点満点ということです。ただ、原稿で100点とるのは難しい。
というのは、内容は同じでも人によって70点だったり50点だったり評価が変わりますから。でも締め切りで100点取るのは簡単ですよ!守ればいいだけですから(笑)。締め切りを守らなければ原稿のクオリティだけで勝負。これは大変です。
 
イ:締め切りを守らない人というのは、上阪さんの言う仕事のプロセスが見えていないのでしょうね。
 
上阪さん:大事なことは、何のために仕事をしているか、だと思っています。
立派な方々にたくさんインタビューしてきましたが、すごい人はみんな自分のために仕事をしていないんですよね。
 
例えば、孫正義さんはあれだけお金を稼いでいて、どうしてまだ仕事を続けるのか。少なくとも、自分のためとは思えない。結局、人の役に立つために仕事をしているからだと思うわけです。逆にいうと、給料が少なくても、自分の役割がしっかり分かっていて、何をすることが自分の歓びなのかを分かっている人は幸せですよね。
 
イ:やっぱりそうやって人のために仕事を続けていれば、人が集まってきて自ずと結果はついてくるものなのですね。
 
上阪さん:最終的にはそうだと思います。私の場合、実は自分がやりたいと思うことはほとんどないんです(笑)。本だって、取材だって、基本はお願いされて、ですから。
ブックライターの講座「上阪徹のブックライター塾」も、元々は編集者さんに「いいライターを増やして業界のためになるように」とお願いされて始めたものでした。私がやりたかったわけではまったくない。でも、私の場合は、そうやって依頼を受けて人の役に立つことこそがモチベーションの源泉なんです。それこそが仕事であり、それこそが人生の醍醐味だと思っています。
 
上阪さんの仕事へのこだわりと人生哲学が伝わってくるインタビューでした。
読んでいただいた読者の皆様、そして上阪さん、ありがとうございました。
スタックアップでは、業界内に持つ豊富な人脈と経験を活かし、商業出版プロデュースを行います。
ぜひご相談ください。
 
上阪徹さんの公式サイトはこちら。http://uesakatoru.com/profile/
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